スナックの事業計画書の書き方|売上予測と来客数をどう作る?
スナックを開業するとき、事業計画書で特に悩みやすいのが「売上をどう予測するか」です。
私たちも、仙台市国分町で18席の居抜き物件を使って個人事業のスナックを開業するにあたり、来客数と売上をシミュレーションしました。開業前なので、未来の売上に正解はありません。それでも、根拠を積み重ねて「なぜその数字になるのか」を説明できる計画にする必要がありました。
この記事では、実際に作成した計画書をもとに、スナックの売上予測と来客数の考え方を整理します。掲載する数字は開業前の計画値であり、実績ではありません。
最初に作るのは「月の売上」ではなく、1日の営業イメージ
いきなり月商を決めると、都合のよい数字になりがちです。まずは1日の営業を具体的に考え、営業日数を掛けて月の見込みを作りました。
| 項目 | 計画 |
|---|---|
| 席数 | 18席 |
| 営業日数 | 月22日 |
| 平日の来客数 | 1日7〜12人 |
| 月間来客数 | 203人 |
| 想定客単価 | 約8,500円 |
18席が毎日満席になる前提にはしていません。平日は7〜12人という現実的な幅を置き、週末や団体利用がある日も含めて月203人を見込みました。
来客数は「席数」だけで決めない
18席あるから18人来店すると考えるだけでは、根拠として弱くなります。開店時間、営業日数、立地、既存のつながり、想定するお客様の来店頻度などを分けて考える必要があります。
私たちの場合は、国分町という夜の飲食店が集まる場所で、店主がスナックで長く働いた経験を持つことを前提にしました。その経験から見込めるお客様、紹介で来店するお客様、周辺からの新規来店を、過大に見積もらない形で月の来客数に落とし込みました。
開業者によって根拠は異なります。未経験であれば、近隣の人通り、競合店、紹介が期待できる人数、SNSや既存の仕事関係から見込める来店などを、具体的に書き出すところから始めると考えやすくなります。
客単価は、注文される内容に分けて考える
客単価も「なんとなく1万円」と置くのではなく、注文の内訳から組み立てました。計画では、売上の60%を時間制・飲み放題などの売上、40%をボトル売上として想定しています。
| 売上区分 | 構成比の計画 | 考え方 |
|---|---|---|
| 時間制・飲み放題など | 60% | 来店したお客様の基本的な利用分 |
| ボトル売上 | 40% | 常連化やグループ利用で生まれる売上 |
ボトル売上は月による差が出やすいため、売上全体をボトルだけに頼らない計画にしました。客単価を作るときは、チャージ、飲み放題、延長、ボトル、フードなど、自店の料金表に合わせて分けると、説明しやすくなります。
売上と原価を分けて、利益まで見る
融資の担当者にとって重要なのは、売上の大きさだけではありません。売上があっても、原価や固定費を払った後に資金が残るかどうかを確認されます。
私たちの計画では、月203人の来客を前提に売上を組み、そこからドリンク原価、人件費、家賃、水道光熱費、カラオケ賃貸料などを差し引きました。月間のランニングコストは約123万円を見込んでいます。
数字を作るときは、次の順番にすると整理しやすくなります。
- 営業日数を決める
- 1日あたりの来客数を決める
- 客単価と注文内容を決める
- 月間売上を計算する
- 原価と固定費を差し引き、利益と資金繰りを確認する
「売上ゼロでも続けられるか」も計画に入れる
売上予測は当たることも外れることもあります。だからこそ、計画どおりに売上が立たない場合の資金も用意しました。
今回の開業資金は、開業準備に約250万円、売上がなくても3か月間の営業を想定した運転資金に約300万円を見込み、合計550万円で計画しました。運転資金があることで、売上予測が少し下振れした場合にも、すぐに営業を続けられなくなる事態を避けやすくなります。
運転資金の詳しい考え方は、スナック開業の運転資金はいくら必要?で紹介しています。
事業計画書は「当てるため」ではなく「説明するため」に作る
開業前に、正確な売上を言い切ることはできません。大切なのは、席数、営業日数、来客数、客単価、原価、固定費がつながった数字になっていることです。
「なぜ月203人なのか」「なぜその客単価なのか」と聞かれたときに、自分の言葉で説明できる計画にしましょう。数字の根拠を説明できれば、融資面談でも事業の準備状況を伝えやすくなります。
資金計画全体の内訳は、スナック開業費用はいくら?にまとめています。

