スナック開業で日本政策金融公庫から450万円の融資を受けた私の体験
スナックを開業するにあたり、私にとって最も大きなハードルは資金でした。
店主が開業に踏み出したのは50歳。以前にスナックで働いていた経験はありましたが、お店を始めるには、物件や設備を準備するお金と、開業後の営業を支えるお金が必要でした。
私は資金調達と事業計画の作成を進め、創業計画書では自己資金100万円・日本政策金融公庫への融資申込額450万円として記載しました。実際に受けた融資は申込額と同じ450万円です。自己資金100万円は、手元にある自己資金として計画書に記載した額です。自己資金がまったくない状態よりも、手元資金を計画書に示せた方が、資金計画を説明しやすいと考え、100万円を計上しました。この100万円は事業に必要な450万円には含めず、開業費用にも充てず、私生活で必要になる場合に備えて別に残す方針でした。融資の可否は自己資金だけで決まるものではなく、売上計画や返済計画を含む事業計画全体の内容によって判断されます。
その後、2025年2月、仙台・国分町で18席のスナックを居抜き物件で開業しました。
この記事では、必要資金をどう考えたか、相談から入金までどのくらいかかったか、事業計画を説明する際に何が難しかったかを紹介します。資金調達の方法や結果は人によって異なるため、私が実際に進めた一例として読んでいただければと思います。
事業に必要な資金450万円と、別に残す自己資金100万円
開業前の計画では、開業準備費約350万円と運転資金約100万円を合わせ、事業に必要な資金を合計約450万円としました。
| 資金 | 金額・用途 |
|---|---|
| 日本政策金融公庫からの融資 | 450万円(事業に必要な資金に充当) |
| 自己資金 | 100万円(事業資金には含めず、生活資金として別に確保) |
開業費用と運転資金は、計画を大まかに説明した金額です。実際に開業時に支出した金額を示すものではありません。
自己資金100万円を計上し、生活資金として残した理由
私は、自己資金100万円を開業費用に使い切るのではなく、生活資金として残すことを最初から決めていました。資金計画には手元資金として計上しつつ、開業後に私生活でお金が必要になった場合にも対応できるようにしたかったためです。
売上ゼロでも3か月は耐えられる資金を確保したかった
予算を考える際、開店するまでの費用に加えて、開業後の運転資金も用意する方針にしました。
理由は、オープン直後から計画どおりにお客様が来るとは限らないからです。
私の場合は、売上がゼロでも最低3か月は営業を維持できるように、約100万円の運転資金を確保する考えでした。計画どおりの売上で日々の支払いを賄えれば、この資金は取り崩さずに残しておく想定です。
開業費用だけを見ていると、「お店を開けるだけのお金があれば始められる」と考えてしまいがちです。しかし、開業後も家賃や人件費などの支払いは続きます。
そこで、開店までの費用と、売上が足りなかったときに備える資金を分けて考えました。
相談開始から入金まで85日かかった
日本政策金融公庫への相談は、2024年8月20日に商工会を通じて始まりました。
融資金450万円が入金されたのは、2024年11月13日です。最初の相談から入金まで、85日かかりました。
| 時期 | 出来事 |
|---|---|
| 2024年8月20日 | 商工会を通じて公庫への相談を開始 |
| 2024年11月13日 | 融資金450万円が入金 |
| 2025年2月 | 仙台・国分町でスナックを開業 |
この85日は、正式な申込日からの日数ではなく、最初の相談から入金までの期間です。また、融資に必要な期間の一般的な目安ではなく、私の場合の記録です。
事業計画と申込みは自分で進めた
事業計画の作成や申込みは、ChatGPTの支援を受けながら自分で進めました。
その中で特に難しく感じたのは、開業前の段階で来客数や売上、利益を予測し、融資担当者に説明することでした。
「実際にオープンしてみなければ分からない」
これが率直な気持ちでした。それでも、資金を借りて開業する計画として、どれくらいの売上を見込み、どれくらいの利益が残ると考えているのかを示す必要がありました。
私が苦労したのは、数字を作ることだけでなく、その集客見込みが現実的であると理解してもらうための説明です。
来客数と注文内容を分けて売上をシミュレーション
売上計画では、月の売上を一つの数字で置くのではなく、曜日別の来客数や注文内容から積み上げるシミュレーション表を作りました。
主に設定したのは、次の項目です。
- 月の営業日数と、曜日ごとの来客数
- 飲み放題とボトルキープの利用割合
- 飲み放題を延長する割合
- ボトル、スタッフドリンク、フードなどの注文見込み
- スタッフの配置と人件費
- 家賃などの運営費用
手元にある、提出内容とほぼ同じシミュレーション表では、次のように設定しています。
| 項目 | 計画上の設定 |
|---|---|
| 月間営業日数 | 22日 |
| 営業日の来客数 | 曜日別に7〜12人 |
| 月間来客数 | 203人 |
| 飲み放題の利用割合 | 60% |
| ボトルキープの利用割合 | 40% |
これらは、開業前に設定した予測です。実際に毎月203人が来店したという意味ではありません。
集客の根拠として、店主の経験と顧客とのつながりを記載
事業計画書では、店主にスナック業界で7年の経験があることや、それまでのお客様とのつながりを記載しました。
具体的には、十数名のお客様の来店を見込めること、100名以上の顧客リストを活用することを、集客を考える材料として説明しています。
ただし、顧客とのつながりがあることと、その方々が毎月来店することは同じではありません。
どのくらいの頻度で来てもらえると考えるのか。曜日によって来客数をどう見込むのか。希望だけの数字になっていないか。
実績のない開業前の段階で、現実的な集客見込みを伝える点に難しさを感じました。
これらの説明が融資承認の決め手だったかどうかは分かりません。ここで紹介しているのは、私が実際に準備し、計画書に記載した内容です。
450万円は、私の計画に対して申し込んだ金額
結果として、私は申込額と同じ450万円の融資を受け、開業に進むことができました。
ただし、「自己資金100万円なら450万円を借りられる」「この計画と同じ内容なら融資を受けられる」ということではありません。自己資金があることだけで融資が決まるわけではなく、売上計画や返済計画を含む事業計画全体の内容によって判断されます。
事業に必要な資金は、開業準備費約350万円と運転資金約100万円の合計約450万円です。実際に受けた融資は450万円でした。自己資金100万円は事業に必要な450万円には含めず、開業に使わず生活資金として別に残す方針でした。
この記事で参考にしていただきたいのは、借りた金額だけでなく、必要資金をどう分けて考え、売上見込みをどう組み立てたかという準備の部分です。
これからスナックを始める方が、自分のお店に必要なお金を考える際の一例になれば幸いです。
※この記事は、2024年に融資を受け、2025年2月に開業した際の体験です。掲載している計画値は、開業後の実績ではありません。
